【10人に1人?】調理師免許のメリットは「肩書」のみ、料理人に必要なのは現場での実力。

「調理師免許」

この免許を持っている人がいたとしたらどんなイメージを抱きますか?

  • 飲食店に勤めている料理人
  • 料理研究科
  • 調理師学校の先生

などなど、料理に関して深い知見を持っている人のように感じるかもしれません。

これは半分正解で半分間違いです。

では、一体なにが「半分」なのか。そんな話を実例をまじえてご紹介します。

 

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調理師の定義とは?

まずは料理人と調理師の違いについて。

調理師(ちょうりし)は、食品の調理技術の合理的な発達を図り、もって国民の食生活の向上に資することを目的とするための日本独自の国家資格であり、調理師法に基づき都道府県知事が行う調理師試験に合格し、各都道府県の調理師名簿に登録された者を調理師(調理士)と呼ぶ。名称独占資格(有資格者以外はその名称を名乗れない資格)である。但し、「調理師」資格を持っていなくても、業務として調理することは可能である。

Wikipedia:調理師

ここでのポイントは2つです。

  • 「調理師」は国家資格で定められた独占資格
  • 調理師免許を持っていなくても「料理人」の業務は可能

まず一番最初に知っておかなければいけないのは、調理師免許を持っていなくても料理人になることは可能だということ。

車の免許を持っていないと、車の運転をできないという状態とは違います。

 

「飲食店」を営む為に必要な資格とは?

これも認識が薄いことが大半なので、しっかりと定義をご説明します。

飲食店を営むのに必要な資格はひとつしかありません。

 

食品衛生責任者

飲食店を営む場合に必須となる資格で、必ず1店舗に1人は配置しなければいけません。

各地域自治体や保健所が開催している講習に参加すれば食品衛生責任者になることは可能。

*調理師免許、栄養士の資格を保有していれば、申請をすれば食品衛生責任者になることは可能

なお、収容人数30人以上の飲食店においては、上記資格に追加して同様の講習を受けることで「防火管理者」の許可を取得することが義務づけられています。

 

調理師学校を修了した時点で「調理師」になることは可能

上記のことを踏まえると、調理師免許自体は飲食店を営む上では必須資格ではないということがわかります。

実際、ラーメン屋や定食屋の店主さんで調理師免許を保有していない人は多いです。

では、調理師免許は一体どのような場面で必要になるのでしょうか?

 

調理師は肩書きでしかない

正直、調理師免許が「必要」になることはありません。

ただ、飲食店に食事に行った際、調理師免許を保有していない人が店主だったら、なんだか不安になりますよね。(聞く事はほとんどないとは思いますが…)

自分の心境から考えてみてもわかるとおり、調理師という肩書きはあきまで肩書きでしかなく、実態として何かの実力を証明するものではありません。

「調理に関しての知識を有していると国から認められました」という肩書きでしかないのです。

 

調理師免許の試験内容に「実技」はない

料理人の独占名称資格ですから、調理師試験では実技試験があるのかといえばそうではありません。

  • 調理師学校の課程を修了したもの
  • 国から認められた施設で実務経験を2年以上積んだ者

この2つのいずれかの条件を満たしていれば、調理師免許を受験することができ、実際の試験は筆記試験だけ。

また内容も、以下の6つのジャンルそれぞれについての問いに対して4択のマークシート方式です。

  • 食文化理論
  • 公衆衛生
  • 食品学
  • 食品衛生学
  • 栄養学
  • 調理理論

「知っている」状態であれば筆記試験に合格することは可能なので、調理師の資格が料理人としての実力とは全く関係がないことは理解して頂けると思います。

 

調理師は料理人の10人に1人程度しか存在しない

では、実際の厨房に立つ料理人の方は調理師免許を保有しているのでしょうか。

調理師制度は昭和34年から開始し、現在の平成27年になるまでで約47.5万人に登ります。(*調理師協会調べ

この中にはもちろん従業員としてのスタッフや、既に現役を退いた人も含まれています。

そして、全国にある飲食店の数は、年数は平成21年のデータになりますが、67万店舗(キャバレー、ナイトクラブを除く)が届け出をしています。ちなみに同データの集計によると料理人(飲食店従事者)の数は450万人に登ります。(*総務省統計局調べ

調理師の数が47.5万人に対して、飲食店従事者は450万人。つまり10人に1人しか調理師免許は保有していないということです。

かなりの単純計算になってしまいますが、理解して頂きたいのは、料理人=調理師というわけではないということです。

 

調理師筆記試験の合格率は約60%、3人に2人は独学で合格している

調理師免許を取得する為には、調理師学校を修了するか、実務経験を2年積んでから筆記試験を受験して合格する必要があります。

では、こうして考えてみたとき、年間200万円程度授業料を支払う「調理師学校」に通うメリットはどれくらいあるのでしょうか?

  • 調理実習でわからないことを質問できる
  • 就職先を紹介してもらえる

このようなメリットはあるかもしれませんが、実技試験のない調理師免許を取得する為に調理師学校に行くというのであれば、あまりにも多大な出費であると言えます。

ちなみに調理師試験の筆記合格率は全国的に見て60%と言われています。

3人に2人が独学で合格する国家試験の受験資格が、2年の実務経験で得られるのであれば、資格取得の為に調理師学校に通うというのがどれだけの損失になるかと計算するのは容易なことです。

 

最初に手に入れるべきは肩書き?実力?

料理人になる上で必要なのは間違いなく「実力」です。

持っていても「困らない程度」の効力しかない調理師免許を、最初に取得する為に調理師学校に行くというのであれば、それは悪手です。

肩書きは実力があれば後からついてきます。

万が一お客様に調理師免許の保有を確認されるようなことがあったとき、自信を持って保有している旨を伝えられるように、独立の際までに持っておくのは得策かもしれません。

「料理人」を名乗ったとき「あ、じゃあ調理師免許持ってるの?」と聞かれることもあるかもしれません。

そのときは胸を張って「そのうち取得するつもり」とでも言っておくだけで十分ではないでしょうか?

料理の世界は単純に「美味しければ納得する」というシンプルな実力社会です。

資格が大切なのか、実力が大切なのかは一目瞭然です。

もし調理師免許を取得する目的が「持っていないと恥ずかしいから」という体裁の為であれば、ある意味正しい感覚といえるでしょう。

しかし、調理師免許を持っていることで実力の証明になると考えているのであれば、考え方を見直してください。

調理師免許を持っていなくても有名料亭の調理場で働くことは可能ですし、実際の現場の人間も免許を保有しているかどうかなんて一切気にしていません。

 

「料理人になりたい」と思うのであれば、まず現場へ

調理師学校のメリットとして「就職先の案内」があります。

しかし、現在は飲食専門の転職エージェントが存在します。(転職エージェントとは、求職者一人に対して担当アドバイザーが1人つく、就職相談サービスのこと)

 

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調理師免許を保有していなくても、現場に入ることは可能です。

今のあなたにとって、まず必要なものは知識を得る学校なのか、技術を得る現場なのか。

 

将来、料理人として活動するために必要なのは、肩書ではなく実力です。

このページをご覧になった方はぜひ一度検討してみてくださいね。

 

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□□白ごはんさん

元料理人の当サイト案内人。 8年の現場経験を経て副業料理人として活動しています。

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