【体験談】板前の労働時間は長い?料亭/割烹/居酒屋の1日の業務内容を紹介

労働時間は長いのが当たり前とされている飲食業界。

朝は市場に買い付けに行き、夜は深夜の閉店時間まで営業した後に片付けをする。

そんなイメージを抱く方は多いかもしれません。

しかし、夕方以降に開店しているお店もあれば、お昼のみ営業しているようなお店もありますよね。

 

今回、関西や関東にかけて8年間、

  • 料亭
  • 割烹料理店
  • 居酒屋

など、実際に多くの調理場を経験してきた元板前の”BORI”より、実際の調理場の1日はどんな内容なのかを実体験ベースでご紹介いたします。

BORI
実体験を元に各店舗の実際の1日の流れをご紹介します!

 

板前の労働時間は長い?休みは取れる?体験談から紹介

まず最初に、一日の実際の流れについて、それぞれの現場の流れを一例として紹介いたします。

BORI
あくまで一例ですので、全ての料理屋さんがこの流れであるとは限りません!参考としてどうぞ!

 

板前の1日の流れや仕事内容

板前さんの一日は、大きく2つの基準で労働時間や内容が変わってきます。

  • お昼営業をしているかどうか
  • 下積み時代を抜け出せているかどうか
BORI
お昼営業をしていれば必然的に稼働時間は長くなりますし、下積みとして働いている間は雑務が多いので、朝は早く夜は遅くなりがちです!

 

料亭の1日の流れ

下積み時代(後輩がいない状態)と、通常の勤務時間で、大きく異なります。

また、料亭は週末にはお見合いや法事などの予約も入るため、週に1回おやすみのシフト制でした。

時間 下積み時代 先輩勤務時間
7時 <出勤>
昼営業の器準備
出汁の準備など
9時 納品業者受け取り
先輩の仕込み手伝い
<出勤>
仕込み開始
11時〜13時 昼営業
13時 まかない
14時 休憩(夜営業の器準備) 休憩
15時 夜営業の準備開始
17時〜21時 夜営業
21時 先輩の片付け手伝い
ゴミ捨てなどを開始
片付け
翌日の材料発注
22時 まかない
23時 <帰宅>
~24時 <帰宅>
先輩が帰った後

通常の勤務時間は9時〜23時の間。これは下積みの場合でも変わりません。

しかし、下積み時代の間は先輩が出勤してくるまでに雑務を終わらせなければいけないので、前後1〜2時間ほど余分に業務時間がありました。

これはあくまで任意の出勤扱いとされています。

また、下積みの開始時間が7時〜となっていますが、これは調理場準備に慣れていないときは時間がかかってしまうだけです。

雑務を効率よくこなせるようになれば、8時頃に出勤していても十分問題はありませんでした。

下積みの若手は、自分が担当する仕事というのは持っておらず、先輩の仕事をそばでお手伝いすることで徐々に仕事を任されるようになっていくことが第一歩となります。

なので、先輩が出勤してくる前に雑務を終わらせておき、先輩が出勤してきたときには先輩の仕事を全力でお手伝いできるような状態になっていなければ、いつまで経っても下積みを抜け出せませんでした。

また、料亭のように規模の大きい店舗だと、朝から市場に買い付けに行くところは少ない印象です。

前日の夜に

  • 魚屋
  • 八百屋
  • 青果店
  • 資材屋(ラップなど)

などにFAXを送っておくことが多いです。(FAXを送るのも下積みの仕事)

BORI
  • 下積み時代は出勤と退勤が先輩と1〜2時間差がある
  • 規模が大きいため、仕入れは業者に発注しているところも多い
  • 先輩の仕事を手伝うために、雑務は先輩が出勤してくるまでに終わらせておく

 

割烹店の1日の流れ

こちらは個人割烹料理店の例で、料理長(店主)1人のお店に若手が2人いたときのものになります。

このお店の場合は料理長と若手2人で分けられていただけで、下積みと先輩の勤務時間は一緒でした。

割烹店自体は日曜日が定休日、土曜日がランチ営業がなかったため午後出勤でした。(表は平日の流れです)

*週末ににぎわう場所にあるお店の場合は、水曜日(市場がお休みの日)が定休日のところも多いです

時間 調理場 料理長勤務時間
9時 <出勤>
調理場準備
市場買い付け
10時 納品業者受け取り
仕込み
<出勤>
仕込み開始
11時〜13時 昼営業
13時 まかない
14時 休憩 休憩
15時 夜営業の準備開始
17時〜21時 夜営業
21時 (営業中に徐々に片付け)
22時 料理長のまかない作り+掃除 まかない
23時 まかない <帰宅>
~24時 <帰宅>

勤務時間は9時〜24時と、料亭より少し短くなりました。

お店自体の規模が小さいので、仕込みの量自体が少なくなります。

料亭とは違い、予約のお客さんの好みに合わせた食材を料理長自ら買い付けに行くため、料理長の買い付けへの同行を許された場合は目利きなどについても学ぶことができます。
(ただし、単純に愛着のない若手と朝から行動を共にするのはつかれるのである程度認められてからでないと同行させてもらえません。)

しかし、個人店は店主の考え方によって大きく就労環境が変化するので、料亭よりも更に”一例”として上記の情報を捉えておくのが無難かもしれません。

BORI
  • 店主が自ら買い付けに行く
  • 規模が小さいので、仕込みで購入する材料が比較的少ない

 

居酒屋(昼営業なし)の1日の流れ

ぼくが働いていた居酒屋はチェーン店ではありませんでしたが、個人の店主が経営しているわけではなく企業が経営しているお店でした。

こちらの居酒屋は特に定休日は設けておらず、完全にシフト制。出勤希望も自由に出せるスタイルでした。

「大衆居酒屋」という印象のお店で、以下のようなスケジュールで1日が成り立っています。

時間 調理場 料理長
14時 <出勤>
業者納品受付
夜営業の準備
16時 休憩 <出勤>
17時〜21時 夜営業
22時 夜営業 翌日の材料発注
23時 ゴミ捨て、閉店作業 まかない
24時 まかない <帰宅>
~25時 <帰宅>

お昼営業のないお店であれば、出勤時間は午後からになります。

魚介にこだわっているお店でなければ、魚は魚屋さんに捌いてもらった状態で納品されるので、仕込みの時間が効率化されている店も多いです。

また、お刺身についている大根のつま(大根を桂剥きにして細く刻んだもの)も、業者に注文して購入しているお店もあります。

あくまで、効率よく(時間給でのコスト削減)、売上を最大限上げるために仕組みを作っていることが多い印象です。

また、お店の閉店後はバイトの学生さんたちと、まかないと一緒にお酒を飲めたりと、修行というよりは楽しめる仕事という印象が強かったです。

BORI
  • 効率を重視した居酒屋の場合は仕込み自体も効率化されている
  • 料亭や割烹店よりも雰囲気がアットホーム

 

板前の労働時間はなぜ長いのか

今回は料亭、割烹店、居酒屋の3種類の飲食店の実例をご紹介させて頂きました。

お昼営業を行っているお店では、朝イチから夜中まで勤務時間が続くので、一般の業種よりは労働時間が長いといえます。

板前修業をしている際に割烹店の店主さんは「人が遊んでる時間に儲けさせて頂くのが水商売だ」と、口癖のようにおっしゃっていました。

一般の職業の方と同じ時間に出勤し、お昼ごはんの時間と夜ごはんの時間に営業時間を迎える飲食業は、必然的に労働時間が長くなりがちです。

 

まとめ:板前の労働時間が長いのが嫌?目的によって勤務先を選ぼう

この記事をご覧になっている方はもしかしたら飲食店に興味がある方なのかもしれません。

もしいま、どのようなお店で働いてみようか悩んでいるのであれば、目的をはっきりさせてみるのがいいかもしれません。

「飲食業で生きていく」にもさまざまな道があります。

  • 個人でこだわりを持った飲食店を開業したい
  • 手に職をつけて職業として長くお勤めしたい
  • スタッフを雇って経営者兼店主になりたい

いま、あなたが思い浮かべている将来はどのような形でしょうか?

 

例えば、

料亭に長く務めた方だからといって、急に個人店を開業したとしても、勝手がわかりません。

個人割烹店で料理長を任されたからといって、料亭の料理長にはなれません。

料理人としての将来を描きたいのであれば、自分が目標とする形の店舗で実際にお金をもらっている立場で経験を積むのが一番の近道です。

 

もし、どんな世界なのか、料理人の働き方自体を自分で体験してみるという一歩から踏み出すのであれば、それぞれの業種でアルバイトをしてみるのもおすすめです。

 

勤務時間の長さはあくまで一例でしかありません。

例え、勤務時間が短かったとしてもやりがいがなければ楽しくないかもしれません。

逆に、勤務時間の長さで好きだったはずの料理が嫌いになってしまうのであれば元も子もありません。

ぜひ、自分なりの「理想の料理人像」を思い描いてみてください。

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BORI
居酒屋・割烹料理店・料亭での現場歴6年の元板前。 関西、関東での幅広い現場経験から実体験に基づいた記事を執筆しています。